院長挨拶
院長 鹿島 直之
当クリニックのホームページをごらんいただきありがとうございます。
町田まごころクリニック院長の鹿島 直之と申します。
現代の日本ではうつ病の増加や自殺が問題となっています。特に日本の自殺者数は先進国の中でも群を抜いているといえます。その一方で、自殺やうつ病の問題に向かいあう精神医療といえば、薬の大量投与や、薬物療法に偏った治療が社会問題化しているのです。
私は大学を卒業後、もちろん薬物療法も学びましたが、それ以外に患者様を適切に言葉で元気づける方法や、日本独自のカウンセリングである森田療法、瞑想などを学んでいます。薬物療法もとても有意義ですが、それ以外の治療法も重要で、患者様をいろいろな視点から治療することは不可欠だと感じています。
薬物療法の歴史はたかだか60年程度、現代精神医学そのものの歴史も150年程度に過ぎません。当然のことですが、歴史をひもといてみれば、人間はそれよりはるかに前からいろいろなことで悩み苦しんでいました。しかし、精神医学がない時代に、人間はそれに頼らずとも精神的な問題を乗り越え、生き抜いてきたのです。
たしかに、精神医学は人間の精神的な不調を、精神的な「病」ととらえ、原因を分類して研究や治療の方法をある程度確立しました。とくに、うつ病や統合失調症、てんかんといった以前であれば治療で不可能であった病に対して、精神医学の薬物療法は福音をもたらしたといえます。しかし、人間のあらゆる悩みに対して薬物療法が万能というわけではもちろんありません。
薬物療法以外の治療法としては、森田療法などの患者さんとの言葉のやりとりによる治療法であるカウンセリングも有効ですが、精神的な問題を乗り越える方法は古来よりいろいろな方法がありました。たとえば、落ち込んだ人を言葉で元気づけること、いろいろな心の葛藤を和らげるために瞑想を行うこと、これらの方法は精神医学よりはるかに歴史が古く、現在にあってその有効性は見直されてきています。
精神医学は確かに日進月歩で、その可能性は計り知れないものがあります。私も医師として精神医学による薬物療法、脳画像検査などの進歩の恩恵にあずかっているし、その進歩を日々学び続けなければならないと感じています。しかし、この精神という神秘を前に、古代からの人々の叡知や患者様自身が持っておられる御知恵にも同時に耳を傾ける必要があるとも思っています。
精神医学を熟知しつつも、その限界をわきまえ、皆さまとともに、悩みの解決をいろいろな視点から探り当てていきたいと念願しております。
プロフィール
1995年 | 東京慈恵会医科大学卒業 |
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1995年 | 国立精神・神経医療研究センター武蔵病院で研修 |
1997年 | 東京慈恵会医科大学附属病院本院精神科 勤務 |
1998年 | 東京慈恵会医科大学附属第三病院精神科 勤務 |
1999年 | 横手興生病院 勤務 |
2002年 | 東京慈恵会医科大学附属第三病院精神科 勤務 |
2006年 | 町田市民病院精神科 勤務(医長) |
2007年 | 成城大学非常勤講師 兼務 |
2009年 | 平川病院 勤務 |
2011年 | 町田まごころクリニックを開業 |
2022年 | 日本大学心理学科非常勤講師 兼務 |
保有資格、所属学会など
- 保有資格
- 精神保健指定医
日本精神神経学会 精神科専門医・指導医 - 所属学会
- 日本精神神経学会
日本森田療法学会
東京精神医学会 - 教職
- 成城大学非常勤講師「心と身体」および「実践カウンセリング」の講座
- 日本大学心理学科非常勤講師「人体の構造と機能及び疾病」の講座
- アルファ医療福祉専門学校スクーリング講師